コンディショニングとは
コンディションとは“現在の身体の調子“のことです。コンディショニングとは“コンディションをより良い状態に向かわせる、また、良いコンディションを維持する“ために行われる作業のことです。コンディショニングは必ずしも運動であるとは限りません。例えば、睡眠や栄養、あるいは、その他のことでも日々の生活の心身の調子を良い方向に向かわせてくれるものはコンディショニングと言えます。
フィジカルコンディショニング
コンディショニングの中でも、日常生活やスポーツのパフォーマンスを上げることで心身の健康に寄与するものをフィジカルコンディショニングと言います。すなわち、フィジカルコンディショニングとは“運動を通して痛みを予防したり、パフォーマンスを向上させる“ために行われるコンディショニングのことです。身体に痛みや不具合なく、心身豊かに生活できるように身体をより良い状態に向かわせるフィジカルコンディショニングはとても重要です。
フィジカルコンディショニングの具体的な目的は2つです。1つ目は、不具合や機能不全を起こしているところをフィジカルコンディショニングを通して改善することです。すなわち、痛みやパフォーマン低下の原因となる得る動作不良箇所(関節)を見つけ出し、その動作不良箇所(関節)を、運動を通して機能的な状態に改善します。そして、正常な機能でより高度な運動をできるように準備します。
2つ目は、そうして改善された機能をより拡大して、日常やスポーツの場面で起こりうるさまざまな状況に適応できる力強い、ダイナミックな動作を身につけることです。身体の、特に関節の機能が正常になることは、いわばマイナスの状態をゼロの状態に戻したにすぎません。その上で、身体が十分な力とダイナミックな動作をもって、さまざまな状況に対応できるようにトレーニングする必要があります。そこで重要な役割を果たすのがストレングストレーニングです。
ストレングストレーニングとは
日常やスポーツ場面において、さまざまな状況に応じて適切に身体の筋活動をコントロールできるように、「神経-筋系全体の能力」を改善するトレーニングのことです。筋機能に関わるすべての体力要素、すなわち、筋力、パワー、筋持久力、スピード、バランス、コーディネーション等、をいろいろな負荷、方法、器具等を活用してトレーニングします。
Strength and ConditoningからStrenght for Conditioningへ
この言葉は、元々40年以上前にアメリカで設立されたNational Strength and Conditioning Association(NSCA)を通して普及した言葉であると考えられます。さまざまなConditioningの中で、その一部分であるStrengthが重要な役割をもつことを強調するべく、Strength and Conditioningという言葉で長く広められてきました。
コンディショニングのためのストレングストレーニングのあり方
近年、ストレングストレーニングの考え方や方法論も世界の第一線で活躍される研究者やコーチ、トレーナーによって整理されたものになってきていると感じます。特に、パフォーマンスを向上するためのストレングストレーニングの活用という観点で、それらは洗練されたものになってきています。大変感謝なことです。
パフォーマンスを向上するためのストレングストレーニングで最も大切なことは、“神経-筋系全体の能力を改善し、力強いダイナミックな全身動作を生み出すことなので、短関節運動に重きを置いた考え方やエクササイズ(例:大腿四頭筋を鍛える→レッグエクステンションを行う)よりも複合関節運動に重きを置いた考え方やエクササイズ(例:脚全体の神経-筋系全体の能力を改善する→スクワット行う)を強調する点です。この点において大切なポイントとなるのが、全身の関節が正常に機能し、複合関節運動においてそれらが適切に協調して働くことです。フィジカルコンディショニングの最初のステップが次のス
テップであるストレングストレーニングのクォリティを引き上げ、パフォーマンスの向上につながっていきます。正に、Conditioningの中のStrength Trainingという全体像がここに表せれ、Strength Trainingというものを常にConditioningの中で考え、組み立てることが重要なのです。
Youtube-Strength Me
Youtubeで配信しているStrength Meでは、コンディショニングの中のストレングス(Strength FOR Conditioning)という観点で、たくさんの動画を配信しています。みなさまのConditioningにお役立て頂ければ幸いです!